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５．イベント反応

	あ、時報の時間だ！
	何時？
	えーとねぇ…

本章では、華和梨が「何か。（仮）」から通知される各種動作のタイミング情報（イベント）をきっかけに各種のメッセージをしゃべるように設定する方法を扱います。KEEPSなどのキットをそのまま利用するのでは物足りない人は、チャレンジしてみてください。

５−１．イベント反応の基礎

従来、イベントに対する反応は、スクリプト(script.txt)と「ぴろ」(piro.dll)が一括して扱っていました。この枠組みの中で、ユーザーは反応を設定するために、スクリプトオーバーライド（「何か。（仮）」参照）などを行なってきました。しかし、現在、「何か。（仮）」は、様々なイベント（従来script.txtで設定していたイベントの一部や、script.txtでは扱えなかった各種の新イベント）をAIルーチンに通知（SAKURA/1.3、SHIORI/2.2）するようになり、華和梨でもこれらのイベントに対する反応の設定を行えるようになりました。

華和梨は、SHIORI/2.2仕様にのっとって通知されるすべてのイベント（これから出現するものも含む）に対応しています。（ごく一部の例外を除く…後述）

華和梨でのイベント反応の設定は、

event.イベント名 : 反応文

という書式で辞書に書き込むことで行ないます。たとえば、「何か。（仮）」が起動したとき（イベント「OnBoot」）の発言を設定するには、次のようにします。

event.OnBoot : \1ユーザー様がお呼びだぞ。\0うー。もうちょっと寝かせてよぉ。\e
event.OnBoot : \0起動〜！！\n\1メモリチェックでERRORとか出たり。\n\0ぴぽっ、ぴーーーー。\e
event.OnClose : \0しゅう〜りょう〜。\n\1けっ、やってられっかよぉ。\0こら、ぐにゅう！\-

同じイベントに対して複数の設定をすると、ランダムにどちらかを選択して動作します。

なお、この設定は辞書のどこに書き込んでも構いませんが、ゴーストを作成する場合は（礼儀上）ghost-(ゴースト名).txt中に記述するのがよいでしょう。（あるいは、event.(ゴースト名).txtなどを作ってもよいかもしれません。）

注意：Phase0.5β２では、システム関係のエントリ名は「compatible.○○」「system-○○」「event-○○」と"-"を使用していましたが、Phase5から「compatible.○○」「system.○○」「event.○○」のように"."を使用するように変わりました。しばらくは過去互換性のために両方使えるようになっていますが、将来"-"文字はエントリ名に使えなくなる可能性が高いので、なるべく早めに移行したほうがよいでしょう。

反応を設定できるイベントには次のようなものがあります(2001/7/8現在)。これ以外のイベントが追加された場合も、まったく同様の書式で反応文を記述することができます。

（「ＳＳＰ」については「DOIchan!'s HomeStadium」参照、「きのこ」（KINOKO）については「Clear Brain Systems」参照、「猫どりふ」については「猫どりふ」参照。「だぶるてぃる」については「はぴかる▼せぶん」参照。そのほかの本体のイベントまわりについての詳細は、「何か。（仮）」を参照。ほかにもSHIORI/2.2仕様準拠のイベントを発信するソフトがあるかもしれませんが、そうしたイベントにも同様に反応できます）

注意：この表の情報が最新とは限りませんので、かならず各ソフトの最新の仕様書を参照するようにしてください。

リファレンス値とは、イベント発生時に、イベントの通知と一緒にAI側に渡される様々なデータのことです。華和梨では、Reference0〜Reference7の値がそれぞれシステムエントリ${system.Reference0}〜${system.Reference7}に格納されますので、文中でこれらの値を利用することができます。

たとえば、「うたイベント」で曲名を表示する場合、リファレンス値"Reference0"に曲名が入っていますから、華和梨のシステムエントリ${system.Reference0}を呼び出せば

# 曲名表示のサンプル

event.OnMusicPlay : \0『${system.Reference0}』っていう唄だって。\1ふーん。\e

のようにできるでしょう。メールチェックも、

# メールチェックのサンプル

# メールチェック開始
event.OnBIFFBegin : \0郵便箱のぞいてくるねぇ〜。\e

# メールチェック成功
event.OnBIFFComplete : \0${system.Reference0}通、届いてるってさ。\n${system.Reference1}バイトもあって、郵便箱があふれそうだったよ。\1何言ってやがる。\nインラインスクリプト使ってないからサイズの大小もわからんくせに。\e

# メールチェック失敗
event.OnBIFFFailure : \0えぐえぐ、郵便局から通知書が一枚だけ…\n「${system.Reference0}」だってさ…\n私、ヘマした？\1郵政民営化のアオリだな。八つ当たりは新政権にせぇよ。\e

とやれば、メールの通数などを通知できます。

もっとも、このリファレンス値は、インラインスクリプト機能と組み合わせて使用することで真価を発揮します。

注意：イベント名にピリオドを含む場合、華和梨Phase0.5β２ではそのイベントを設定することができませんでしたが、Phase5からは使えるようになりました。

５−２．基礎イベント反応のサンプル

上の説明だけで理解してバリバリと辞書を書ける人には不要かもしれませんが、基礎イベント反応のサンプルを用意してみました。こんな感じで記述すればOKです。（よくわからない人はKEEPSを使っちゃえばＯＫです。）

# 初回起動時メッセージ
event.OnFirstBoot : \0初回起動だよ〜。略して、しょっか〜。\1…略すなよ。\e

# 起動時メッセージ
event.OnBoot : \0起動ですよん〜。略して…\w8…\w8っ略せるかぁ！！\1逆ギレ！\e
event.OnBoot : \0…叩き起されたぁ…。眠いぃ…\e

# 終了時メッセージ（末尾のさくらスクリプトタグ"\-"で終了させる）
event.OnClose : \0終了〜終了〜。寝るぞ、ぐにゅう！\1ぐぅー。\0…早っ！\-
event.OnClose : \0でぃろまとぉ〜。\1でぃろまとぉ〜。\-

# 最小化（アイコン状態）から復帰したときのメッセージ
event.OnWindowStateRestore : \0「できるだけ小さくたたまれる」のって、すごく痛くてつらいんだね。\1ケンシロウかよ。\e
event.OnWindowStateRestore : \0暗いよ〜せまいよ〜じめじめするよう。……うふふ。\1不気味なヤツだな。\e
event.OnWindowStateRestore : \0せまい部屋でみっちり、ぐにゅうとふたりっきり。\1かんべんしてくれ。\e

# ゴーストが自分から他人に交代するときの退場メッセージ
event.OnGhostChanging : \0役目大儀。\1おまえの台詞じゃないぞ。\e
event.OnGhostChanging : \0浮気するからには、しっかり落としなさい。\1どーゆーソフトやねん！\e

# ゴーストが他人から自分に交代するときの入場メッセージ
event.OnGhostChanged : \0呼ばれても飛び出ない。\1……\e
event.OnGhostChanged : \0呼ばれて飛び出てジャジャジャジャーン。\n\1\w8…帰る。\0待てコラッ！\e

# 自分のサーフィスセットを切り替えるときのメッセージ
event.OnSurfaceSetChanging : \0変身！\e

# サーフィスセットを切り替え完了したときのメッセージ
event.OnSurfaceSetChanging : \0変身完了！\e

# シェルに切り替えるときのメッセージ
event.OnSurfaceSetChanging : \0言葉をとりつくろったって、所詮、浮気よねぇ〜。\1おい。\e

# シェルが切り替え終わったときのメッセージ
event.OnSurfaceSetChanged : \0ここって、普通のゴーストだと読まれないんじゃない？\1そう？\e

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